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アルツハイマー型認知症

アルツハイマー型認知症とは

アルツハイマー型認知症は、認知症のなかで最も患者数が多い疾患です。脳内で異常なタンパク質(アミロイドβやタウ)が蓄積することにより、脳の神経細胞が徐々に破壊される進行性の疾患です。初期には物忘れや見当識障害が見られ、時間が経つにつれて記憶や判断力、言語能力が低下し、最終的には日常生活に大きな支障をきたすようになります。原因は完全には解明されていませんが、加齢、遺伝的要因、生活習慣病がリスクを高めるとされています。治療には、進行を遅らせる薬物療法(コリンエステラーゼ阻害薬、メマンチンなど)を使いますが、根本的な治療法はまだ見つかっていません。


アルツハイマー型認知症の原因

アルツハイマー型認知症の原因は完全には解明されていませんが、複数の要因が関連していると考えられています。主な要因としては、脳内での異常なタンパク質の蓄積が挙げられます。特に、アミロイドβというタンパク質が脳内に蓄積し、神経細胞間のコミュニケーションを妨げ、神経細胞が徐々に破壊されていきます。また、タウという別のタンパク質も脳内に異常に蓄積し、神経細胞の構造が崩れ、脳の働きがさらに悪化します。
これらのタンパク質の異常蓄積の原因として、加齢が最大のリスク要因とされています。年を取るとこれらのタンパク質が排除されにくくなり、蓄積しやすくなるため、アルツハイマー型認知症の発症リスクが高まります。
遺伝的要因も大きな影響を与えることが知られており、特にアポリポタンパクE(ApoE)という遺伝子の変異がリスクを高めます。この遺伝子変異を持つ人は、持たない人に比べてアルツハイマー型認知症を発症する可能性が高いです。
さらに、生活習慣病や環境要因も発症に関与しています。高血圧、糖尿病、肥満、喫煙、運動不足などの生活習慣病が脳の血流を悪化させ、認知症のリスクを増加させます。また、脳への損傷や慢性的なストレスも発症に関与する可能性が示唆されています。


アルツハイマー型認知症の症状

  • 出来事や約束を忘れる
  • 場所や時間、人の認識が曖昧になる
  • 適切な判断ができなくなる
  • 言葉が出てこなくなる
  • 会話の内容が理解できなくなる
  • 頻繁に物をなくすようになる(見つけられない)
  • 物の距離感や形状を判断できなくなる
  • 不安や抑うつがある
  • 興奮や攻撃的になる
  • 着替えや食事、トイレなど日常生活を一人で行えなくなる

など


アルツハイマー型認知症の
検査・診断方法

アルツハイマー型認知症の検査・診断は、医師による問診と認知機能検査を使用して行います。また、必要に応じてCTやMRIなどの画像診断にて脳の萎縮を測定し、血液検査にて他の原因による認知症を除外します。なお、CT検査などが必要になった場合、連携する医療機関をご紹介いたします。


アルツハイマー型認知症の
治療方法

疾患修飾薬

アルツハイマー病の進行を遅らせる疾患修飾薬として、以下の抗アミロイドβ抗体薬が承認されています。

1. レカネマブ(商品名:レケンビ)

  • 承認時期: 2023年9月
  • 適応: 軽度認知障害(MCI)および軽度のアルツハイマー型認知症
  • 作用機序: 脳内に蓄積したアミロイドβを除去し、神経細胞へのダメージを軽減することで、認知機能の低下を抑制します。
  • 投与方法: 2週間に1回の点滴静注
  • 副作用: 頭痛、発熱、吐き気、脳浮腫や微小出血などのアミロイド関連画像異常(ARIA)が報告されています。(厚生労働省HP

2. ドナネマブ(商品名:ケサンラ)

  • 承認時期: 2024年9月
  • 適応: 軽度認知障害(MCI)および軽度のアルツハイマー型認知症
  • 作用機序: 特定のアミロイドβの変異型に選択的に結合し、脳内のアミロイドプラークを効果的に除去することで、認知機能の低下を遅延させます。
  • 投与方法: 月に1回の点滴静注
  • 副作用: レカネマブ同様、ARIAの発生が報告されています。

薬物療法

アルツハイマー型認知症の進行を抑えるために、次のような薬を使用します。

コリンエステラーゼ阻害薬

アセチルコリンという脳内の神経伝達物質の分解を抑え、神経細胞間のコミュニケーション改善、記憶力や認知機能の維持を図ります。代表的な薬は、ドネペジル(アリセプト)、リバスチグミン、ガランタミンになります。初期から中期のアルツハイマー型認知症に適用となります。

NMDA受容体拮抗薬

NMDA受容体という脳の神経細胞に影響を与え、神経の過剰な興奮を抑えることで、認知機能の維持や行動の安定化を目指します。メマンチン(メマリー)が代表的です。中期から重度のアルツハイマー型認知症に使います。

抗精神病薬や抗うつ薬

不安、幻覚、妄想、興奮状態などの精神症状が現れる場合に、抗精神病薬や抗うつ薬が補助的に使用することがあります。

非薬物療法

薬物療法と併用して、生活の質を向上させるための非薬物的なアプローチも重要です。

認知リハビリテーション

パズル、読書、計算などの知的活動を通じて脳を刺激し、記憶や判断力の維持を目指します。適切な課題を選び、無理なく行うことが大切です。

運動療法

適度な運動は、脳の健康を維持し、認知機能の改善に寄与します。ウォーキング、ストレッチ、軽い体操などが推奨されます。

生活環境の整備

安全で穏やかな生活環境を整えることで、患者様の不安や混乱を減らすことができます。家具の配置を簡素化し、転倒の危険を減らすための工夫が必要です。

社会的支援

家族や介護者のサポートはもちろん、地域や介護サービスの利用が重要です。デイケアやリハビリ施設での活動も患者様の生活の質向上に役立ちます。


アルツハイマー型認知症に
関するよくある質問

アルツハイマー型認知症は遺伝しますか?

遺伝により発症することもあります。特にアポリポタンパクE(ApoE)遺伝子の特定の変異がある場合、アルツハイマー型認知症のリスクが高まります。ただし、遺伝的要因がない場合でも発症することがあり、環境や生活習慣も影響を与えます。

アルツハイマー型認知症の進行を遅らせる方法はありますか?

進行を完全に止めることはできませんが、薬物療法(コリンエステラーゼ阻害薬、メマンチン)により症状の進行を遅らせることができます。また、適度な運動や認知リハビリ、社会活動への参加などが生活の質を向上させ、進行を緩やかにする可能性があります。

アルツハイマー型認知症に効果的な食事やサプリメントはありますか?

特定の食事やサプリメントがアルツハイマー型認知症の進行を止めるという証拠はありませんが、地中海食(野菜、魚、オリーブオイルが中心)や抗酸化作用のある食品は脳の健康に良いとされています。また、ビタミンDやオメガ3脂肪酸が脳に良い影響を与える可能性があるとする研究もあります。

何歳頃からアルツハイマー型認知症のリスクが高まりますか?

アルツハイマー型認知症のリスクは65歳以降に大きく増加します。ただし、稀に50歳前後で発症するアルツハイマー型認知症(若年性アルツハイマー型認知症)もあります。年齢とともに遺伝や生活習慣も関与してきますので、気になることがございましたらご相談ください。

市川メディカルクリニック