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自閉スペクトラム障害(ASD)

自閉スペクトラム障害(ASD)
とは

自閉スペクトラム障害(ASD)は、発達障害の一種であり、社会的な相互作用やコミュニケーションにおける困難、特定の興味や行動の反復が特徴です。一般に幼少期に現れ、症状の現れ方や重症度は個人によって大きく異なります。社会的なルールや非言語的なサインの理解が難しいため、人との関係を築くことが難しい場合があります。また、特定の物事に対する強い興味や、同じ行動を繰り返すことが見られることもあります。原因は、遺伝的要因や環境要因が複雑に関与していると考えられており、まだ完全には解明されていません。早期発見と適切な支援が重要で、個々の特性に応じた教育や療育が有効とされています。

自閉スペクトラム障害の原因

自閉スペクトラム障害の原因は、まだ完全には解明されていませんが、以下の要因が関連していると考えられています。

遺伝的要因

家族内での発症が見られることから、遺伝的要因が強く関与しているとされています。特定の遺伝子変異が発症リスクを高める可能性があると研究されています。たとえば、15番染色体上の遺伝子の異常や、シナプスの形成や機能に関与する遺伝子が関連付けられています。また、双子の研究からも、同一の双子で発症する可能性が高いことが示されています。

脳の発達の異常

脳の構造や機能に異常が見られることが研究で明らかになっています。特に、前頭前野や海馬など、社交的な行動や感情の制御に関与する脳の領域において、発達の遅れや構造的な違いが確認されています。

環境要因

遺伝的要因に加え、妊娠中や出生後の環境も発症に影響を与える可能性があります。具体的には、以下のような要因が挙げられます。

妊娠中の感染症

妊娠中に母体がウイルス感染(例えば、風疹やサイトメガロウイルス感染)を受けると、胎児の脳の発達に影響を及ぼすことがあります。

妊娠中の薬物の使用

特定の薬物や化学物質(例えば、抗てんかん薬や妊娠中のアルコール摂取)が、自閉スペクトラム症のリスクを高める可能性があります。

周産期の要因

早産や低体重出生などの周産期のトラブルが自閉スペクトラム症のリスクに関連しているとされています。

生物学的要因

ホルモンや神経伝達物質の不均衡が自閉スペクトラム障害の発症に寄与している可能性もあります。例えば、セロトニンの異常が関連しているという研究もあります。

複合的な要因

遺伝的要因と環境要因が複雑に相互作用することで発症すると考えられています。このため、特定の遺伝的素因を持つ人が、特定の環境要因にさらされること発症する可能性があるとされています。

自閉スペクトラム障害の症状
(特徴)

  • 他者との対話や会話の発展が難しい
  • アイコンタクトや非言語的コミュニケーションの不足
  • 感情の理解や表現が乏しい
  • 特定のテーマや物事に対する強い興味
  • 繰り返しの行動や儀式的な行動
  • 変化に対する強い抵抗感
  • 特定の音、光、触覚に対する敏感さ
  • 感覚刺激への過度の反応や無関心
  • 友人関係の形成が難しい
  • 社会的状況への理解不足
  • 特定のスキルや知識において優れた能力(計算や記憶)
  • 創造的な思考の乏しさや柔軟性の欠如
  • 不安やストレスによるパニック反応
  • 行動が極端に強い(攻撃的または引きこもるなど)
  • 学習スタイルが独特(視覚的または聴覚的情報を好む)
  • 言葉が送れることがある
  • 比喩や冗談の理解が難しい
  • ストレスや不安による感情のコントロールが難しい
  • ルーチンなど決まった行動を好む
  • 相手の表情や声のトーンの理解が難しい

など

カサンドラ症候群とは

カサンドラ症候群は、自閉スペクトラム障害のあるパートナーを持つ人が経験する、心理的および感情的な苦痛を指します。自閉スペクトラム障害の特性によって引き起こされるコミュニケーションの困難さや情緒的な疎外感から生じることが多いです。特に、感情を理解し共有することが難しいといった特性が、パートナーとの関係において摩擦や誤解を生む原因となります。その結果、非自閉スペクトラム障害のパートナーは孤独感や無力感、ストレスを感じることが増え、精神的な負担が大きくなります。カサンドラ症候群の症状としては、うつ病や不安、自己評価の低下などが挙げられます。治療には、カウンセリングやサポートグループの参加が有効です。また、自閉スペクトラム障害についての理解を深めることも、関係改善に役立つ場合があります。

自閉スペクトラム障害の
検査・診断

自閉スペクトラム障害の検査・診断は、主に問診や行動観察、心理検査を通じて行っていきます。問診においては、生育歴や社会生活での困難さ、コミュニケーションの問題などをお伺いします。また、必要に応じて他の発達障害や病気との鑑別のため、質問票や知能検査、画像検査を行うこともあります。

自閉スペクトラム障害の治療方法

自閉スペクトラム障害を治療したいと考えていらっしゃる方も多いかと思います。しかし、自閉スペクトラム障害は脳の特性であり、病気ではありません。そのため、障害自体を治療するのではなく、特性に合わせ、困りごとに対して対策を立て、軽減していくことを目的とします。
たとえば、自分に合った対処法を見つけたり、仕事や生活をしやすくするために集中できる環境を整える、コミュニケーションスキルを向上させていきます。
また、几帳面さや集中力など強みを活かせる環境づくりを模索していきます。

自閉スペクトラム障害に関する
よくある質問

自閉スペクトラム障害は治りますか?

自閉スペクトラム障害は、脳の特性であり、治るものではありません。ただし、困りごとに対する対処法を学び、環境を調整することで、生活の質を向上させることが可能です。

自閉スペクトラム障害は、遺伝しますか?

自閉スペクトラム障害は、遺伝的要因が関与しているとされますが、環境的要因も複雑に絡みます。

自閉スペクトラム障害は他の精神疾患などを併発しますか?

自閉スペクトラム障害は、注意欠如・多動性障害や学習障害といった発達障害のほか、うつ病や不安障害などの精神疾患を併発することがあります。

自閉スペクトラム障害は話し方がきついですか?

自閉スペクトラム障害は、コミュニケーションに苦手意識を抱えることが多く、人の気持ちを汲み取ることが苦手なため、ストレートな物言いになりがちです。その結果、話し方がきついと思われることもあります。

自閉スペクトラム障害の特性は年齢とともに変わりますか?

特性そのものは基本的に変わりませんが、対処法や環境調整により、年齢とともに生活上の困難さが軽減されます。また、大人になるにつれて、自己理解が深まり、困りごとへの対処も上手になることがあります。

自閉スペクトラム障害は環境により悪化しますか?

適切な環境が整っていない場合、ストレスが増加し、症状の悪化が見られることがあります。一方、理解のある職場環境や家庭環境の中で過ごすことで、特性による困難が軽減することもあります。

市川メディカルクリニック