- 睡眠時無呼吸症候群(SAS)とは
- 睡眠時無呼吸症候群(SAS)とメンタルヘルスの関係
- 睡眠時無呼吸症候群(SAS)が疑われる症状
- 睡眠時無呼吸症候群(SAS)の検査・診断
- CPAP治療(経鼻的持続陽圧呼吸療法)
- 当院でのサポート
睡眠時無呼吸症候群(SAS)とは
睡眠時無呼吸症候群(Sleep Apnea Syndrome: SAS)は、睡眠中に呼吸が一時的に停止、または著しく低下する状態が繰り返し起こる疾患です。特に「閉塞性睡眠時無呼吸症候群(OSAS)」は、鼻から喉までの上気道が狭くなり、無呼吸や低呼吸が生じるタイプで、肥満や顎顔面形態、年齢、性別などがリスク因子となります。SASにより、深い睡眠が阻害され、日中の過度な眠気や疲労感、集中力低下、イライラ感などが引き起こされます。また、高血圧、心疾患、糖尿病、脳血管疾患といった生活習慣病のリスクを高めることもわかっています。
睡眠時無呼吸症候群(SAS)とメンタルヘルスの関係
SASは、質の高い睡眠を確保できないことから、気分の落ち込みや意欲低下、不安感を引き起こしやすく、うつ病を含む精神疾患の発症や悪化を助長する場合があります。そのため、当院が行ううつ病をはじめとした精神疾患の評価・治療の際には、まず睡眠の質やSASの有無を確認し、原因を除外(鑑別)したうえで、最適な治療戦略を立てることが重要です。もしSASが存在すれば、先に睡眠の改善策を講じることが、メンタルヘルスの治療効果を高める一助となり得ます。
睡眠時無呼吸症候群(SAS)が疑われる症状
- 寝ている間の著しいいびき
- 繰り返す中途覚醒、夜間頻尿
- 朝の頭痛、口渇感
- 日中の強い眠気や倦怠感、集中困難
- イライラしやすい、気分の不安定さ
これらの症状はうつ病や不安障害の症状と一部重なります。そのため、うつ病と診断する前にSASの可能性を検討し、必要に応じて検査・治療を行うことが重要です。
睡眠時無呼吸症候群(SAS)の検査・診断
SASの有無を調べるには、睡眠ポリソムノグラフィー(PSG)と呼ばれる精密検査が必要です。これは睡眠中の脳波、心拍、呼吸、血中酸素飽和度などを記録するもので、連携医療機関で実施します。簡易スクリーニング検査から開始し、必要であればPSG検査を行い、無呼吸低呼吸指数(AHI)などの数値から診断を確定します。
CPAP治療(経鼻的持続陽圧呼吸療法)
SASの標準治療はCPAP(Continuous Positive Airway Pressure)療法で、就寝時に鼻マスクを着用して気道に陽圧空気を送り込み、気道が閉塞しないようにします。CPAP治療を継続することで、睡眠の質が向上し、日中の眠気や倦怠感が軽減します。さらに、高血圧や心血管リスクの低減にも寄与することが期待できます。CPAP治療で睡眠を改善することにより、うつ症状も軽減しやすくなり、うつ病治療の効果を高める下地をつくることができます。
CPAP治療の流れ
- 診察・検査:問診や簡易検査、必要な場合はPSG検査を実施。
- 治療適用判断:AHI値や症状からCPAP導入を検討。
- 機器フィッティング:鼻マスクやフルフェイスマスクなど、患者様に合ったマスク・圧力設定で快適に使用できるよう調整します。
- 治療継続:毎晩CPAPを使用し、眠りの改善を図ります。使用初期は慣れが必要ですが、定期的なフォローアップで問題点を解消します。
- 定期フォローアップ:効果判定や設定の微調整を行い、最大限の治療効果を引き出します。
当院でのサポート
当院は精神科・心療内科の専門性を活かし、うつ病や不安障害などの精神疾患とSASを含む睡眠障害を総合的に評価します。SASが疑われる場合は、睡眠時検査・CPAP導入をサポートし、メンタル面でのケアや薬物療法、カウンセリングを組み合わせた総合的な治療を提供します。
精神的な不調が続く方、うつ病の疑いがある方は、まず睡眠状態を把握し、SASなどの身体的要因を除外することで、より適切な治療計画を立てることが可能となります。SASやCPAP治療についてご不明な点やご相談がありましたら、お気軽に当院へお問い合わせください。